シーンに新たな風を吹き込んだヒップホップ界の未来を担う男、ドレイク待望の2作目。リリースまでに多くの曲がリークされるも、本人はそれを楽しんで欲しいなどと余裕の発言をしたのも、聴けばなるほどと納得した。プロデュースは今回もNoah "40" Shebibが大半の楽曲を担当。カナダの女性SSW、シャンタール・クレヴィアジックの幻想的なヴォーカルを纏った「Over My Dead Body」で静かに幕開けし、染み入るようなほぼ歌ものな「Shot for Me」に流れ込み、リード・シングル「Headlines」へと緩やかに盛り上がる。ドレイクがプッシュするR&Bシンガー、ザ・ウィークエンドとの「Crew Love」やリアーナを迎えたクールなダンス・ナンバー「Take Care」といった前半を聴いただけで、ドレイクワールドに1人放り込まれたかのような錯覚に。さらにケンドリック・ラマーとのダウナーすぎる「Buried Alive」やスティーヴィーがハーモニカで参加した「Doing It Wrong」、リル・ウェインとアンドレ3000との豪華組み合わせが実現した「The Real Her」、ジョンB「Calling On You」ネタの「Cameras/Good Ones Go」、ジェイ・Zやアリーヤを手がけ、2008年に急逝したスタティック・メジャーの歌声を使った「Look What You've Done」、ジュヴィナイルのクラシック「Back That Azz Up」をリメイクした「Practice」などハイライトが山盛り。キャッチーさやポップさはほぼ皆無ながら、アルバムとしての完成度とドレイクの圧倒的な存在感で、聴く度に心揺さぶられる。リリース前に上がりまくっていた期待値とハードルの高さを遥かに凌ぐ、2011年を代表する1枚であることは間違いない。Disc11 : Over My Dead Body2 : Shot For Me3 : Headlines4 : Crew Love5 : Take Care6 : Marvins Room/Buried Alive Interlude7 : Under Ground Kings8 : We'll Be Fine9 : Make Me Proud10 : Lord Knows11 : Cameras/Good Ones Go Interlude12 : Doing It Wrong13 : The Real Her14 : Look What You've Done15 : HYFR (Hell Ya Fucking Right)16 : Practice17 : The RidePowered by HMV