ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ集 Op.12スロヴェニアのヴァイオリニスト、ラナ・トロトヴシェクと、カタルーニャのピアニスト、マリア・カニゲラールによるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集の第1集、Op.12の3曲、第1番から第3番。 トロトヴシェクの瑞々しく良く伸びる音色がベートーヴェン20代の作品にとても映えています。しかも若きベートーヴェンの内面の情熱、次世代を切り開く意欲もバシバシ伝わって来ます。またこれら3曲は比較的ピアノの比重が高く、マリア・カニゲラールがまた実に絶妙で、とりわけ緩徐楽章が素晴らしい出来栄えです。 ラナ・トロトヴシェクは1983年、スロヴェニアの首都リュブリャナの音楽一家に生まれました。4歳からヴァイオリンを学び、17歳で偉大なヴァイオリニスト、ルッジェーロ・リッチに認められてザルツブルクのモーツァルテウム大学で集中的に学びました。ロンドンに拠点を移した後、ここ10年ほどでメキメキと頭角を現しています。 マリア・カニゲラール(Canyigueral カタルーニャ語ではgueはゲの音)は、スペイン、カタルーニャ州のジローナの生まれ。バルセロナで学んだ後、彼女もロンドンに拠点を移し、独奏、伴奏、室内楽で活躍しています。 2人は何年もコンビを組んで演奏しており、ロンドンのウィグモア・ホールにも登場して高い評価を得ています。この録音は2020年8月3,4,6日の3日間、リュブリャナの旧修道院を改装した「クリジャンケ」という施設の中の「騎士の広間」でおこなわれたツィクルスのライヴ録音。西欧の南国と東欧の南国の2人の女性はそれぞれに情熱的で、それが演奏会の高まる感興で見事に融合しています。トロトヴシェクは瑞々しい音色と新鮮な感覚が素晴らしく、カニゲラールは暖かい音色に押し引き良くヴァイオリンに寄り添いつつ、必要な時には独奏ピアニストとしても相当高度な技術力で大きく主張しています。ベートーヴェン好き、ヴァイオリン好き、ピアノ好き、いずれにおいても強くお勧めできる内容です。(輸入元情報)【収録情報】ベートーヴェン:● ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ長調 Op.12-1● ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調 Op.12-2● ヴァイオリン・ソナタ第3番変ホ長調 Op.12-3 ラナ・トロトヴシェク(ヴァイオリン) マリア・カニゲラール(ピアノ) 録音時期:2020年8月3,4日 録音場所:スロヴェニア、リュブリャナ 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)Powered by HMV