首席指揮者ヘイス・レーナース&ベルリン放送合唱団による、イタリアの19世紀後半から20世紀初頭の合唱作品集ドイツで最も成功を収めている混声合唱団のひとつ「ベルリン放送合唱団」。数々のレコード賞、その中には3度のグラミー賞や、多くのクラシック・エコー賞も受賞しています。そして、ベルリン・フィル、ベルリン放送交響楽団などの共演になくてはならない合唱団としても、様々な面で国際的なクオリティを証明しています。 現在の首席指揮者ヘイス・レーナースが2019年にリリースした「ブラームス:合唱作品集」でもこの上なく美しい歌声でしたが、今回はイタリアの19世紀後半から20世紀初頭の、あまり演奏されない合唱作品が収録されています。 その中心になるのがヴェルディの『聖歌四篇』。ヴェルディが晩年に、音楽家としての出発点、すなわち宗教曲に立ち戻り、1887から1897年にかけて別々に作曲した声楽曲を、1898年にまとめて『聖歌四篇』のタイトルを付して出版したものです。無伴奏が2曲、オーケストラ付きが2曲と編成も異なりますが、敬虔な祈りから熱くドラマティックなカンタービレまで、文字通りヴェルディの音楽のエッセンスを凝縮させた作風を堪能いただけます。 ロッシーニの『おお救いのいけにえ』は、後に彼の最も優れた作品の1つである『小荘厳ミサ』からの曲。続く主にオペラ作曲家として知られるヴォルフ=フェラーリの『8つの合唱曲』からの2つの合唱曲は、イタリア語とドイツ語のテキストによる初期の作品で、イタリアのルネサンス音楽に対する彼の愛情が明らかにされています。 もうひとつの珍しい作品として、マルコ・エンリコ・ボッシ[1861-1925]の作品が含まれているのもこのアルバムのポイント。終生オルガニストとして活躍し、「イタリア器楽曲復興」に貢献した作曲家で、彼のオルガン作品を除いた他の作品はまだほとんど知られていません。ボッシはプッチーニの親友であり、多くの示唆を彼から受けたことでも知られています。 アルバムの最後は、ヴェルディの劇的な晩年の作品への答えとして、プッチーニの『レクィエム』でアルバムは締めくくられます。プッチーニは1905年1月27日にヴェルディの没後4年を記念して、ヴィオラ独奏とオルガン伴奏による混声三部合唱のための短いレクィエムを作曲し、その副題は「ヴェルディの思い出のために」と付けられています。 このアルバムでも、レーナースの見事な指揮と指導により、驚くほど明快で透明感あふれる歌声で、ピアニッシモからフォルテシモまでむらのない安定した歌唱は、これらの宗教的作品の美しい讃美の響きに満ちています。(輸入元情報)【収録情報】ヴェルディ:1. 聖歌四篇〜アヴェ・マリア2. 聖歌四篇〜スターバト・マーテル3. 聖歌四篇〜聖母マリアへの讃歌4. 聖歌四篇〜テ・デウム5. 主の祈りロッシーニ:6. おお救いのいけにえヴォルフ=フェラーリ7. 8つの合唱曲 Op.2〜歌 第1番8. 8つの合唱曲 Op.2〜歌 第2番ボッシ:9. 神ラファエルにプッチーニ:10. レクィエム SC.76 ベルリン放送合唱団 ベルリン・ドイツ交響楽団 アンマリー・ムーアクロフト(ヴィオラ) ヤクブ・サヴィツキ(オルガン) ヘイス・レーナース(指揮) 録音時期:2020年8月17-21日 録音場所:ベルリン、Haus des Rundfunks 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)Powered by HMV