僕は変わる。不良チームに財布をとられたガリ勉、竹人と、あやしい気功術を使う変わり者のクラゲ。立ち向かうのは権力の巨悪か、変わらない自分か── * * * * *竹人には、有名校に進学したが挫折し引きこもっている兄がいる。父は兄を否定し、「おまえは立派な大人になれ」と言う。だけど、立派な大人ってなに?塾の帰り、市内にのさばる不良グループ「夜明スコーピオン」に竹人が絡まれているところに、クラスの変わり者のクラゲが現れる。奇妙な気功術を使うがあっけなくやられるクラゲ。関わりたくないと思った竹人だが、翌日クラゲは、夜明スコーピオンをやっつけて取られた財布を取り返そうと誘ってくる。祖父が市長、父親が警視庁という後ろ盾をかさに好き放題の「夜明スコーピオンのリーダー」をどうすれば倒せるのか。乗り気でなかった竹人も、クラゲの勢いにのまれるうちに次第に変わっていく──。ただ選びたい、自分の意志で、なんでもいいから、何か選びたい。ずっと親の希望に従ってきた竹人の感情が沸騰する!自分はこのままでいいのか、親が言うことは正しいのか、不安や消化不良のモヤモヤを抱え込んでいる10代の心に、光と風が流れ込む穴をあけてくれるような物語。装画 あき(Acky Bright)