発売日
2017年 09月 22日
2017/9/22
忘れていたのは、底に「希望」があることだった
ひと組の男女がいる。
二人が出逢いを運命と感じられるようになるまで、多くの時間は必要なかった。
ただ、男は立場に忠実であろうとするために躊躇い、女はそれを察して日常を装った。
二人は、ただ口を噤んでいた。
もし、この二人が互いの役割を担わず出会っていたなら、時を置かず運命に従うことができただろうか。
「秘密」
他人に知られないよう配慮することを秘密という。
だが、二人のそれは、互いの前に差し出され、いつでも覗き見ることができる特殊な秘密であった。
原作・シナリオ:大麦ひかる
キャラクターデザイン・イラスト:えまる・じょん
出演:テトラポット登(てとらぽっとのぼる)
全編ダミーヘッドマイク使用
「だから今は……、夢を見ていることにしよう」
【概要】
必要もなく頻繁に訪ねてくる苗子比類王。
広告代理店の営業マンという人種は、そのようなものかと思っていた。
だが、墜落事故でプロジェクトが中断となってからは、
そういうこともなくなり、苗子の変わり身に小さな軽蔑すら感じた。
その事故で将来を約束した人を失った貴女。悲嘆に暮れる間もなく戻ってくる日常。
ある日、事実を知らされ、貴女は自分の生まれた日を呪った。
同時に、罪もなく苦しんでいるであろう苗子のことを思い、軽蔑は同情へと変わる。
しかし、同情の言葉は相手を傷つけてしまうという遠慮が禁忌を育み、
二人の間に見えない壁を造ってしまった。
時が流れ記憶が薄らぐことがあっても、その壁は決してなくなることはないだろうと思われた。