今年リリース40周年を迎える1982年のアルバム『クリーチャーズ・オブ・ザ・ナイト(暗黒の神話)』(原題:Creatures Of The Night)は、KISS史における画期的な重要作だ。壮大かつ重厚なロック回帰のサウンドでファンの予想を完全に覆した本作は、ファンのお気に入りアルバムであると共に、カルト人気を誇る名盤。1982年10月、ポール・スタンレー、ジーン・シモンズ、エリック・カーの3人から成るKISSがリリースした『クリーチャーズ・オブ・ザ・ナイト(暗黒の神話)』は、バンドの持ち味として知られるハード・ロックへの回帰を意識的に果たしたアルバムだ。よりハードになったサウンドに加え、よりヘヴィかつダークなムードが本作の特徴となっている。シングル曲の「アイ・ラヴ・イット・ラウド」は、その後KISSのツアーでほぼ毎回演奏されるライヴ定番曲となり、「ウォー・マシーン」や、バラード曲「アイ・スティル・ラヴ・ユー」、そしてアルバム・タイトル曲も、長年にわたって彼らのライヴで頻繁に演奏されてきた。また、「キラー」は、その後まもなくギタリストとしてバンドに加入するヴィニー・ヴィンセントと初めて共作した曲として、特に注目のトラックである。『クリーチャーズ・オブ・ザ・ナイト(暗黒の神話)』は、〈ケラング!〉や〈ギター・ブレイヤー〉といった各音楽専門誌で絶賛され、1982年末に発表された年間ベスト・アルバム・ランキングでは両誌でトップ5に選出。ゴールド・ディスク・アルバム(売上50万枚以上)にも認定された。