「驚くほど純度の高いソプラノの高音域の持ち主」「ソプラノを歌うために生まれてきた男」と話題沸騰のソプラニスタ、ブルーノ・デ・サのデビュー・アルバム。この衝撃的な歌唱を聴いて下さい!ソプラニスタ(男性ソプラノ)であるブルーノ・デ・サは、女性ソプラノや、カウンターテナー(一般的にはメゾ・ソプラノに相当する音域を持つとされます)とは異なる、独特の色彩や質感を帯びた声を持っています。彼の哲学は「自分の声で歌うことのできる役柄を歌う」こと。ブラジル及びヨーロッパの舞台で演じてきた、そうした役柄には、ヘンデル(『ジューリオ・チェーザレ』のセスト)、モーツァルト(『皇帝ティートの慈悲』のセスト、『魔笛』の侍女1、『フィガロの結婚』のバルバリーナ)、ワーグナー(『タンホイザー』の羊飼い)、そしてアメリカの現代作曲家ジェレク・ビショフ(2019年にバーゼルで初演された『Andersens Erzahlungen(アンデルセン物語)』の人魚姫)などがあります。 ブルーノ・デ・サはごく幼い頃から歌い始め、学生時代にサンパウロで、クルト・ヴァイルの『Der Jasager (イエスマン)』でプロ・デビューを飾りました。さらにブラジルで、バッハからロッシーニ、スコット・ジョプリンまでの幅広い作曲家の作品に出演したのち、2016年にドイツ・デビューを果たします。そのレパートリーは、プッチーニ、ブリテン、バーンスタイン、ジョン・アダムス、19世紀のイタリア作曲家、ジュゼッペ・バルドゥッチにまで及び、2019年にはポツダムとバイロイトにて、ジョヴァンニ・ボノンチーニの1702年の作品『ポリフェーモ』にも出演しています。 2019/20シーズン初頭に、ブルーノ・デ・サはバーゼル劇場の若手アーティスト・プログラムのメンバーに選出され、2020/21シーズンには、バイロイト・バロック・オペラ・フェスティヴァルにて、ポルポラの『Carlo il calvo(禿頭王カルロ)』のベラルド役(フランコ・ファジョーリとユリア・レージネヴァとの共演。マックス・エマヌエル・ツェンチッチ演出、ジョルジュ・ペトルー指揮)を務めたあと、フィリップ・ジャルスキーの指揮で2021年にモンペリエとザルツブルク聖霊降臨際音楽祭で上演されたスカルラッティの『カイン、あるいは最初の殺人』に出演しました。 また、彼にはマリア・カラス・コンクール(サンパウロ)、マンハッタン国際音楽コンクール、コンコルソ・スピロス・アルギリス(イタリア、サルザーナ)など、多くのコンクールでの受賞歴があります。2020年には、「OPER!」アワードの最優秀新人賞を受賞。 1588年,教皇シクストゥス5世は女性が公共の劇場やオペラハウスの舞台で歌うことを全面的に禁じました。それから約100年後、教皇インノケンティウス11世もその禁令を繰り返しました。そうした時代の男性歌手に女性役を演じることが求められた時代のレパートリーがここに収録されています。 ブルーノ・デ・サの歌唱は、単なる高音域の発声だけでなく、磨き上げられたテクニックと表現力、楽譜の裏まで読む深い洞察力など、隅々まで神経の張り巡らされたもの。その声質も透明に澄んだもので、ナタリー・デセイの歌声のようなクリアさには衝撃を受けるはずです。また多くの曲が世界初録音となり、共演のフランチェスコ・コルティの指揮とチェンバロによるイル・ポモ・ドーロによって、優しい声から狂乱の場まで幅広い表現力を描き出しています。(輸入元情報)【収録情報】1. A.スカルラッティ:歌劇『グリゼルダ』より『言って、私は夢か錯乱の中にいたと』(Griselda. 2. A.スカルラッティ:歌劇『グリゼルダ』より『おお、暗い森よ、私との再会は』(Griselda)3. ヴィンチ:歌劇『ファルナーチェ』より『無慈悲な心を捨てるのは』(Berenice)4. ヴィヴァルディ:歌劇『ジュスティーノ』より『どうか穏やかに心地よく』(Arianna)5. ヴィヴァルディ:歌劇『ジュスティーノ』より『愛する人なしに』(Leocasta)6. ダ・カプア:歌劇『パルティアの王、ヴォロジェーゾ』より『闇夜の恐怖の中で』(Berenice)7. アレーナ:歌劇『シーロのアキッレ』より『私に燃える心を見る者はない』(Deidamia)8. ガルッピ:歌劇『エヴェルジェーテ』より『さまよう巡礼者のように』(Candace)9. コッキ:歌劇『アデライーデ』より『内気な羊飼いの娘』(Adelaide)10. コッキ:歌劇『アデライーデ』より『気高い水の流れ』(Adelaide)11. コンフォルト:歌劇『ヴェスタの処女、リウィウス・クラウディア』より『お父様、兄上…いっそ死んでしまえれば』(Livia Claudia)12. ファヘ:歌劇『アルメニアのポンペPowered by HMV