中国からアジアの各地に伝来した漢字。漢字が表す音は各地の言語に溶け込んで変化していった。日本ではさらに、伝来した時代によって呉音・漢音があり、漢字を構成するあるパーツから推測して誤って読まれた“百姓読み”に由来する慣用音など数種の音があるが、その違いはどのように生まれたのだろうか。本書は著者の字形、中国古代音の知識の蓄積を基礎に、形声文字の音を表すパーツから漢字の音の秘密を解き明かす、本邦初、世界初の試み。巻末には形声文字以外も含むそれぞれの成り立ちも収録した教育漢字索引を付す。はじめに凡例序章 漢語の歴史と日本の音読み第1章 形声文字と音符〔コラム〕漢語に由来する訓読み第2章 形声文字の字形と発音〔コラム〕発音表示の歴史的な増加第3章 声母の変化〔コラム〕発音のずれが起こる原因第4章 韻母の変化〔コラム〕古代における外国語の音写第5章 全体の変化〔コラム〕音符としての余紐文字附論1 漢字の発音と意味の関係性附論2 複声母説について附論3 中国古代の韻母と上古音の成り立ちおわりに主要参考文献索引