バルビローリのマラ6、1967年ライヴ初発売!同時期のスタジオ盤と10分も違う演奏時間に驚き!バルビローリが晩年、ニュー・フィルハーモニア管弦楽団を指揮してEMIにセッション録音したマーラーの6番は、ディアパゾン賞を受賞するなど評価の高い演奏でしたが、今回のライヴ録音はその直前にロイヤル・アルバート・ホールで行われたコンサートをBBCがステレオでライヴ収録していたというもの。 テスト盤を聴いた印象では、ステレオとはいえ残念ながら音質は冴えず、周波数レンジは広くなく、強奏では若干歪みもあるなど状態はあまり良いものではありませんでしたが、製品盤ではさらなるリマスターが施されて音質が向上するかもしれませんし、世界初発売ということもあり、資料的な価値という観点からもマニアには意義深いリリースといえるのではないでしょうか。 なお、バルビローリのマーラー6番はこれまでにもEMI盤のほか、1966年のベルリン・フィルとのライヴ盤が出ており、さらにイタリア盤では、1969年1月録音とされるニュー・フィルハーモニア管とのライヴ盤がリリースされていましたが、この1969年盤は今回の1967年ライヴ盤と演奏時間が似ているので、もしかするとJohn Huntのディスコグラフィで書かれていたように1967年1月の演奏なのかもしれません(18:54+13:40+11:47+28:44=73:05)。 録音当時、中間楽章の順番は第2楽章にスケルツォ、第3楽章にアンダンテ・モデラートが置かれるのが一般的でしたが、バルビローリはマーラーの意図を汲んで、第2楽章にアンダンテ・モデラート、第3楽章にスケルツォという構成で演奏をしています。【収録情報】・マーラー:交響曲第6番イ短調『悲劇的』 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団(フィルハーモニア管弦楽団) サー・ジョン・バルビローリ(指揮) 録音時期:1967年8月16日 録音場所:ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール 録音方式:ステレオ(ライヴ) (日本語解説は付きません)【演奏時間比較(第1楽章呈示部反復は無し)】1966L BPO 18:35+14:08+12:11+28:51=73:451967L NPO 18:53+13:45+11:53+28:57=73:281967S NPO 21:12+15:50+13:55+32:50=83:47【解説書より抜粋(翻訳:ユニバーサルIMS)】1901年11月、交響曲第4番の初演を終え、第5番の作曲に取り掛かっていたマーラーは22歳のアルマ・シンドラーと出会う。素晴らしい美貌に恵まれ、極めて高い音楽的才能を持ち合わせた教養あふれる若い女性で、彼女自身、作曲家でもあった。19歳の歳の差があるにもかかわらず、初めて会うなり相思相愛となり、マーラーにとっては彼の生涯を通じて最も大切な感動すべき体験となった。第6番の交響曲は彼らが結婚した後、初めてマーラーが取り掛かった作品で、1903年に作曲に着手。その後続いた生活の中で明らかになったところでは、アルマは強力な意志と個性を持ち合わせていたが、マーラーのほうが更に強かった。マーラーが第6番のシンフォニーを作曲し始めた頃のことを、アルマはこんな風に回想している。 「彼は彼の音楽の中に私を描こうとしていた。強烈そして情熱的で触感を含むような官能性を込めて。そしてスケルツォ楽章では遊びに興じる子供を描いていた。」 アルマの回想は不完全であったりあてにならなかったりすることが現在では知られているが、この事に関しては彼女の発言はたぶん正しいと思われる。(・・・・中略・・・・) 交響曲第6番の楽譜は実際の初演が行われる前に出版され、このときの第1版ではスケルツォ楽章が第2楽章とされていた。その後1906年5月27日、エッセンで行われた初演に際して、マーラー自身が2つの中間楽章の順序を逆にし、第2楽章にアンダンテ・モデラートを、第3楽章にスケルツォを置いた。そして出版社にも楽章を差し替えての再販を要請し、それが出来上がるまでの数ヶ月は訂正説明の用紙を挿入するよう依頼した。 マーラーの生前この作品の上演は6回行われ、そのうち3回はマーラー自身が指揮をとった。もちろんその際の楽章順はマーラーの最終案の通り、第2楽章にアンダンテ・モデラート、第3楽章にスケルツォが置かれていた。 マーラーは51歳の誕生日を迎える6週間前、1911年5月にウィーンで息をひきとった。その後1920年にアムステルダムで開催されるマーラー・フェスティヴァルで第6番の交響曲を演奏する為の準備をしていたメンゲルベルクDisc11 : Mahler: Symphony No. 6 [74.42]: I. Allegro energico, ma non troppo. Heftif, aber markig [19.08]2 : II. Andante moderato [14.00]3 : III. Scherzo (Wuchtig) [12.08]4 : IV. Finale: Allegro Moderato [29.23]Powered by HMV