HIP奏法を体得し、オペラとコンサートで独自の活動を続けるアイヴァー・ボルトンと名門バーゼル交響楽団のフォーレ作品集 第2弾!2016/17年シーズンからスイスの名門バーゼル交響楽団の首席指揮者を務めているアイヴァー・ボルトン。このコンビによる、「知られざるフォーレ」と題されたシリーズの第2弾。タイトルに相応しく、今回は独奏楽器と管弦楽のための作品を4曲、組曲『マスクとベルガマスク』、名曲『パヴァーヌ』、そして未完の作品『管弦楽組曲ヘ長調』からのアレグロを収録した、フォーレ・ファンには堪えられないほど魅力的な作品が並んでいます。 『子守歌』は、フォーレのピアノ伴奏によって1880年2月に初演され、同年4月にフォーレ自身による管弦楽伴奏版として演奏されました。『ロマンス』も最初はヴァイオリンとピアノのための作品として1883年に作曲され、後にフォーレ自身によって管弦楽伴奏版として編曲されましたが、それは発表されませんでした。ここでは同時代の音楽家フィリップ・ゴーベールによる編曲版が収録されています。世界初録音となる『バラード』は、ワーグナーの『ジークフリート』からの「森のささやき」に触発され独奏ピアノのために作品として構想されましたが、リストのアドバイスによってピアノと管弦楽版として作曲されました。ここではべーレンライター新全集による初録音となります。『エレジー』はこのアルバムの中では非常に悲劇的なメロディの作品で、1883年にチェロとピアノのために作曲。1895年に管弦楽伴奏版に編曲され、1901年に出版。カザルスとフォーレ自身の指揮によって初演されました。未完の『管弦楽組曲(交響曲)ヘ長調』からのアレグロは、最近までは4手のピアノによる写譜として伝えられてきましたが、最近出版されたべーレンライター新全集による管弦楽校訂版として、ここで世界初録音となったものです。 ボルトンの演奏は、フォーレの繊細さを引き出し、軽快で親密な印象を抱かせるもの。ソロ楽器を明るい音色で輝かせ、フレージングの絶妙な味わい深さは実に魅力的。今回の独奏者として起用されたのは、ソニー・クラシカルではおなじみのピアニスト、オリヴァー・シュニーダー。そしてヴァイオリンとチェロは「ベルチャ四重奏団」のメンバー2人が参加し、新しい味わいのフォーレを聴かせてくれています。 アイヴァー・ボルトンは1958年イギリス生まれ。1982年からグラインドボーン音楽祭の指揮者を務めるとともに、1984年からはピリオド楽器を使用したセント・ジェイムズ・バロック・プレイヤーズを結成。現在はモーツァルテウム管弦楽団桂冠指揮者、マドリード・レアル劇場音楽監督、バーゼル交響楽団首席指揮者、ドレスデン祝祭管音楽監督。バイエルン州立歌劇場でのバロック・オペラ上演も手掛けています。近年ではピリオド奏法を取り入れた軽やかで透明感ある響きが特徴的なブルックナーの交響曲を演奏し、従来のような重厚な響きを重んじる聴き手の耳にも新鮮な風を送り込んだのも話題となりました。現代から古楽まで幅広いレパートリーを持ち、オペラでもオーケストラ曲でも高いクオリティの演奏を聴かせる実力派指揮者です。(輸入元情報)【収録情報】フォーレ:1. ヴァイオリンと管弦楽のための子守歌 Op.16(フォーレ自身による管弦楽伴奏版)2. ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス Op.28(ゴーベールによる管弦楽伴奏版)3. ピアノと管弦楽のためのバラード Op.194. チェロと管弦楽のためのエレジー Op.245. 組曲『マスクとベルガマスク』Op.1126. パヴァーヌ Op.50(オリジナル版)7. 管弦楽組曲(交響曲)ヘ長調 Op.20(未完)〜アレグロ アクセル・シャハー(ヴァイオリン:1,2) アントワーヌ・レデルラン(チェロ:4) オリヴァー・シュニーダー(ピアノ:3) バーゼル交響楽団 アイヴァー・ボルトン(指揮) 録音時期:2018年3月13-16 録音場所:スイス、ドルナハ、ゲーテアヌ 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)Disc11 : Berceuse for Violin and Orchestra op. 162 : Romance for Violin and Orchestra op. 283 : Ballade for Piano and Orchestra op. 194 : lgie for Cello and Orchestra op. 245 : Ouverture6 : Menuet7 : Gavotte8 : Pastorale9 : Pavane op. 5010 : Allegro from Symphonie en Fa (or Suite d'orchestre) op. 20Powered by HMV