新規事業開発は、製造業の重点課題の1つです。また、製造業が新規事業開発を行う際に最も重視している経営資源は、技術力です。しかし、技術を強みとした新規事業開発は、基本的な進め方や体制の構築ができていないことが理由でうまくいかないことが多い、という調査結果が出ています。この理由の1つに、実際にマネジメント担当者や実務推進者にとって、活用しやすい情報が少ないことが挙げられます。 そのため、製造業の企業が基本的な進め方を知るためにだけに、コンサルティングファームなどへの外部委託費用を使っている場合もあります。基本的な進め方や体制の構築は成果獲得のために必要なことですが、十分条件にはなりません。本来であれば、実践内容を充実することにこそ、工数や外部委託の費用を投入したいところです。本書は、基本的な進め方を公知にし、読者の皆さんが実務の推進に注力できるようになることを目的に執筆しました。ぜひご活用下さい。(「はじめに」より)