一世一代の名手ブライロフスキーによる貴族的なショパン。世界初CD化多数含む全盛期のRCA全ショパン録音が登場。ルービンシュタインと並んで20世紀を代表するショパン弾き、アレグザンダー・ブライロフスキー[1896-1976]がRCAに残した全ショパン録音を、初めてCD8枚に集大成したボックス・セットです。 ショパンはブライロフスキーがその生涯を通じて深くかかわりを持った作曲家でした。ブライロフスキーはショパンの169曲にのぼる全独奏曲を、チクルスとして全曲演奏した史上初のピアニストであり、その全曲演奏は、ショパンが晩年を過ごしたパリのみならず、ニューヨーク、ブリュッセル、チューリッヒ、メキシコ・シティ、ブエノスアイレス、モンテビデオでも開催され、1920年代には彼のショパン弾きとしての名声を世界的なものにしたのでした。1938年のニューヨークでのショパン・チクルスでは、「こうした全曲演奏を成し遂げるために必要な並外れた記憶力、強靭な肉体的スタミナ、そして卓越した技術を兼ね備えたピアニストは何人もいるが、そうした要素に加えて優れた音楽性までを持ち合わせている者は数少ない。ブライロフスキーは間違いなくその数少ないピアニストの一人だ」と称賛を受けています。 1942年から1958年にかけてRCAに遺されたブライロフスキーのショパン録音は、ピアノ協奏曲2曲(第1番はスタインバーグ指揮RCAビクター響、第2番はミュンシュ指揮ボストン響との共演)、1942年と50年の2種類のワルツ集(14曲)、練習曲全曲(1948年、初出LP時のカップリングであるシューマン『交響的練習曲』も今回含まれています)、24の前奏曲(1951年)、夜想曲集(19曲、1956〜57年)、ピアノ・ソナタ第2番と第3番(1954年録音)、エコセーズと子守歌(1958年録音)が含まれています。また当ボックスには、1938年にロンドンで録音されたブライロフスキー最初期のショパン録音(ピアノ・ソナタ第3番の最初の録音ほか)も含まれています。なお、ブライロフスキーは1960年に生涯最後のショパン・チクルスをニューヨークとブリュッセルで行い、それを契機にコロンビアへのステレオによるショパン録音を開始、ワルツ集と24の前奏曲の再録音のほか、マズルカ集とポロネーズ集の録音も残すことになります。 RCAへのモノラル盤、コロンビアへのステレオ録音いずれも、ブライロフスキーが1976年に亡くなってからもその代表盤として長らく聴き継がれてきました。サロン音楽の伝統を汲み、透明な音色と洒落た味わいや個性的な解釈によって聴衆に親密に語りかけるブライロフスキーの芸風は、特にショパンのミニアチュアともいえるワルツやマズルカぴったりで、その独特の世界はまさに過ぎ去った19世紀ロマンティシズムへのノスタルジアを喚起させる、貴族的な趣を持ち合わせており、今聴いても見事な輝きを放っています。 今回はオリジナル・アナログ・マスターおよびディスクから24ビット・192kHzによるリマスターが行われています。(輸入元情報)8 CD-set in clamshell box with bookSize: L 12.8 cm x W 12.7cm x H 2.8 cm【収録情報】Disc1ショパン:● ワルツ第1〜14番(録音:1941年5-10月、ニューヨーク、ビクター第2スタジオ)● 即興曲 第1番変イ長調 Op.29(録音:1941年5月8日、ニューヨーク、ビクター第2スタジオ)● 夜想曲 第5番嬰ヘ長調 Op.15-2(録音:1945年4月20日、ニューヨーク、ビクター第2スタジオ)● 即興曲 第4番嬰ハ短調 Op.66『幻想即興曲』(録音:1946年12月30日、ニューヨーク、ビクター第2スタジオ)● 夜想曲 第2番変ホ長調Op.9-2(録音:1946年12月30日、ニューヨーク、ビクター第2スタジオ)● 夜想曲 第8番変ニ長調Op.27-2(録音:1949年4月5日、ニューヨーク、ビクター第2スタジオ)Disc2● 練習曲集 Op.10, Op.25(全24曲)(録音:1946年12月26日、1947年5月26,28日、ニューヨーク、ビクター第2スタジオ)● 3つの新練習曲(録音:1947年5月28日、ニューヨーク、ビクター第2スタジオ)Disc3● ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11(録音:1949年4月14日、ニューヨーク、マンハッタン・センター) ウィリアム・スタインバーグ指揮、RCAビクター交響楽団● ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21(録音:1954年11月29日、ボストン、シンフォニー・ホール) シャルル・ミュンシュ指揮、ボストン交響楽団Disc4● ワルツ第1〜14番(録音:1950年2月6,7,13日、ニューPowered by HMV