2009年の没後200年を機に、新たに改訂されたピアノ(クラヴィーア)・ソナタ全集。1970年代に出版されたランドン校訂の旧版を底本として、その間に進展した研究成果や新資料を基に改訂された。新全集の特長は次のとおり。1楽譜を全面的に浄書し直した。2ホーボーケン番号に準拠し、曲順を並び替えた。3ハイドン特有の装飾法、カデンツァについて詳細で実用的な演奏例を掲載した。4校訂報告を掲載した。ハイドンのソナタはピアノ学習者のレッスン曲としてのみならず、近年多くのピアニストの重要なレパートリーとなりつつある。今までモーツァルトやベートーヴェンの陰に隠れていたハイドンのソナタが、改めて認識されてきているといえるだろう。本書は、全4巻のうち第3巻。本巻に収められた17曲のソナタは、みずみずしく、耳を引くリズムをもち、ハイドンの「疾風怒濤期」とこの後に続く「古典的」ソナタの仲立ちをなす時期のものとして重要な位置を占める。『ソナタ・アルバム』で有名なハ長調Hob.XVI:35やニ長調Hob.XVI:37、ト長調Hob.XVI:27なども本巻に収録。[曲目]Sonate C-dur Hob.XVI:21 (旧版No.36)Sonate E-dur Hob.XVI:22 (旧版No.37)Sonate F-dur Hob.XVI:23 (旧版No.38)Sonate D-dur Hob.XVI:24 (旧版No.39)Sonate Es-dur Hob.XVI:25 (旧版No.40)Sonate A-dur Hob.XVI:26 (旧版No.41)Sonate G-dur Hob.XVI:27 (旧版No.42)Sonate Es dur Hob.XVI:28 (旧版No.43)Sonate F-dur Hob.XVI:29 (旧版No.44)Sonate A-dur Hob.XVI:30 (旧版No.45)Sonate E-dur Hob.XVI:31 (旧版No.46)Sonate h-moll Hob.XVI:32 (旧版No.47)Sonate C-dur Hob.XVI:35 (旧版No.48)Sonate cis-moll Hob.XVI:36 (旧版No.49)Sonate D-dur Hob.XVI:37 (旧版No.50)Sonate Es-dur Hob.XVI:38 (旧版No.51)Sonate G-dur Hob.XVI:39 (旧版No.52)