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歌劇『フィデリオ』に関連して作曲された4曲の序曲のうち、演奏される機会の多い2曲、《レオノーレ》第3番と《フィデリオ》を収載。解説の書き出しにあるように「ハイドン、モーツァルトの後継として、19世紀初頭のウィーンで活躍するベートーヴェンにとって、オペラ創作は当時の作曲家として乗り越えなければならない大きな関門であった」。しかしながら、台本のテーマ、プロットへの共感がなければ、作曲へのモチベーションは高まらない。解説は、《フィデリオ》作曲に至る経緯、上演と序曲作曲をめぐる諸事情を丹念にたどったうえで、各曲の楽曲解説を展開する。両曲とも充実したソナタ形式で書かれているが、形式各部分のバランスは大きく異なる。歌劇中の主要素材を用いて一種の交響詩的性格が窺われる《レオノーレ》第3番に対し、《フィデリオ》序曲には歌劇本体からの直接的な素材利用はない。解説=平野 昭楽譜《レオノーレ》序曲第3番 作品72a《フィデリオ》序曲 作品72b
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