1904年、使用人リディが口ずさんだ素朴なメロディを聞いたバルトークは、真のハンガリー精神は農村で伝承されている民族音楽にあると確信した。その後、バルトークはハンガリー、ルーマニア、スロヴァキアの民俗音楽の旋律を採集、分析し、創意豊かな作曲技法を確立する。そうして生まれたバルトーク作品の旋律は、なぜ独特な魅力を放つのだろう。本書は、バルトークの子供のための作品を題材に、その旋律構造、音階、音程、リズム、イントネーション、拍子、歌詞の意味などを分かりやすく説明する。バルトーク作品をレッスンに取り入れたい指導者、バルトーク作品を演奏したい学習者、そして何より、バルトーク作品を愛するすべての人に贈る。