メインタイトルの「テニス上達のメカニズム」とサブタイトルの「体性感覚」の関係について簡単に説明します。体性感覚とは一般的に、人間の五感「視覚」「聴覚」「触覚」「味覚」「嗅覚」の中の「触覚」を表すもので、テニスにおいてショット上達の鍵を握るものです。人間がカラダをコントロールする際は、「触覚」の働きによるところが大きく、これは生理学的には「体性感覚」に相当すると言われています。テニスに使われる「体性感覚」は、触覚などカラダの表面で生じる皮膚感覚と、外からは見ることのできないカラダの中で起こっている感覚、すなわち筋肉や腱、関節が受ける感覚が複合したものと考えられます。例えば、重たいラケットを振るときに生じる遠心力などから、筋肉が受け取る“引き伸ばされる”感覚や、インパクトでボールから伝わる“筋肉を押すような圧迫圧”の感覚などが、自分自身でも認知しやすい体性感覚の一種です。こうした感覚のフィードバックによって動作は上達していきます。毎回異なる状況判断が必要とされるテニスのようなスポーツでは、視覚や聴覚からの情報をもとに、トライ&エラーとフィードバックを繰り返すことは必然です。そのトライ&エラーとフィードバックを行う上で欠かせないのが「体性感覚」です。テニスプレーヤーのみなさんのカラダの表面、そしてカラダの中へとアプローチする新感覚のテニス上達本をお届けします。Chapter 1 上達のメカニズム「体性感覚」Chapter 2 先どり感覚Chapter 3 フットワークChapter 4 手のセンサーChapter 5 テクニックChapter 6 運動連鎖Chapter 7 イメージ想起