国際標準の競争法制をめざして！　前著『独占禁止法の新たな地平ー国際標準の競争法制へ』『独占禁止法（第9版）』と合わせ、著者の基本構想を示す三部作の最終巻。　2019年独占禁止法改正の成立と2020年のその施行をふまえ、次の改正事項である行政制裁金制度の具体的な制度設計を提言。さらに、不公正な取引方法の解体を実施する根本的な理由についても解説。　最後の法改正が実現した後の、わが国独占禁止法の基本体系や行為類型ごとのルールの全体像を明示した著者の集大成的論集。第1章　国際標準の基本体系・競争法制へ　1　基本体系の確立とあるべき競争法制　2　不公正な取引方法の禁止による垂直的制限規制の問題点第2章　周辺領域・関連分野　1　基本体系の下での周辺領域における規制　2　知的財産権の行使行為との調整　3　域外適用と国際カルテル規制　4　適用除外ー協同組合の厚意への適用除外と事業法上の適用除外　5　事業者団体の行為についての規制第3章　自由競争減殺型の不公正な取引方法の廃止　1　不公正な取引方法の禁止の歴史・要約版　2　自由競争減殺型の不公正な取引方法を廃止する必要性　3　判例法上の行為類型ごとのルール第4章　課徴金制度と適正手続　1　2019年改正　2　調査協力減算制度と2020年運用方針　3　次回改正課題　4　優越的地位の濫用にかかる課徴金　5　弁護士・顧問間の秘匿特権と供述聴取への弁護士立会い第5章　アジアの競争法とその展開　1　競争法の基本体系および基本体制　2　中国競争法の位置付け　3　中国競争法の構造と体系　4　インド競争法　5　競争法をめぐる諸問題　第6章　判例法のさらなる展開を　1　判例法と新規判・審決　2　最近の主要先例の問題点　3　クアルコム事件審判審決　4　山陽マルナカ事件審判審決と優越的地位の濫用　5　大規模小売業者への納入取引　6　優越的地位の濫用の禁止規定に関する最近の動き第7章　国際標準の競争法制への道筋　1　これまでの4回の大改正と実現すべき目標　2　法改正と基本書・論文集との関係　3　今後の改正課題と国際標準の競争法制へ【事項索引】