「世界一」というのは、思い込みに過ぎない。日本の鉄道は、特殊すぎる。特殊すぎて、世界で役立つ場所が見つからないーー。日英仏独米を徹底比較、日本の鉄道の「立ち位置」を探る!「日本の鉄道は世界一」という誤解が日本の鉄道を苦しめている。世界で初めて高速鉄道を実現した国、日本。毎年、新規開業や延伸があり、相互乗り入れや増発などでサービスも向上し続けたため、日本人は「日本の鉄道は世界一」と自然に考えてきた。だから新幹線輸出も当然、うまく行くはず、だったーー。日英仏独米の鉄道を比較することで、日本の鉄道のあまりに特殊な立ち位置を明らかにし、漠然とした楽観主義に警鐘を鳴らす、国際比較鉄道論。[内容より]日本ほど鉄道に向いている国はない日本の鉄道は特殊である日本の特殊性が生んだ「鉄道万能論」「世界一」というのは思い込みに過ぎない過剰な期待が海外展開の障害となるはじめに第1章 日本の鉄道は特殊である1・1 鉄道利用者数が極端に多い国、日本1・2 なぜ日本で鉄道が特異的に発達したのか第2章 日本の鉄道を海外と比較2・1 英仏独米日の鉄道をくらべる2・2 鉄道史をくらべる2・3 鉄道の現状をくらべる第3章 日本と海外の都市鉄道をくらべる3・1 米英仏独日の都市鉄道をくらべる3・2 都市鉄道史をくらべる3・3 より具体的にくらべる第4章 日本と海外の高速鉄道をくらべる4・1 日英仏独米の高速鉄道をくらべる4・2 高速鉄道史をくらべる4・3 リニアとハイパーループによる高速化4・4 より具体的にくらべる第5章 空港アクセスと貨物の鉄道を国際比較5・1 空港アクセス鉄道5・2 貨物輸送第6章 イメージと現実のギャップ 1726・1 日本人は鉄道が好き?6・2 日本の鉄道技術は世界一なのか6・3 鉄道ができると暮らしが豊かになるのか6・4 鉄道に対する認識のギャップ6・5 認識のギャップが過剰な期待を生じさせる第7章 これからの日本の鉄道と海外展開7・1 鉄道の維持は難しくなる7・2 鉄道が時代の変化に対応するには7・3 鉄道の海外展開を成功に導くには7・4 「競争」から「融合」へ第8章 国際会議で見た日本の鉄道の立ち位置8・1 第9回UIC世界高速鉄道会議8・2 イノトランス2016おわりに参考文献