2021年英国The Business Book Awards Change and Sustainability受賞会社の仕事を続けつつ、ホームレス支援を成し遂げた女性たちの物語。「仕事にやりがいを感じない」「生きる目的がなく、満たされない」「社会問題を解決したいと思うが、実行に移せない」そんな願いや悩みを持つ人に「人生の目的=パーパス」の見つけ方、叶え方を丁寧に解き明かします。日々の仕事で充実感を感じられず、「世の中から切り離されている」と感じたとしても、それは、あなたがおかしいのでも、怠けているのでも、素質がないのでも、悪いのでもありません。 「自分には生きる目的がなく、人生が空っぽだ」と感じている求職者に対して、企業は、自社の仕事が真の意味で「生きる目的」を提供できるかどうかに関わらず、「求職者の空虚感を埋められる」というアイデアに飛びつき、自社での仕事を魅力的なものに見立て、「生きる目的を満たし、さらに給与も約束します」と私たちに売り込んだのです。 しかしそういった仕事では、あなたの「生きる目的=パーパス」は達成できないのです。 ミレニアル世代の70%は、「パーパス」の欠如を理由に、仕事を辞めたいと考えていますが、これは特に驚くような結果ではありません。 個人の生きる目的は、企業の存在目的とは一致しないのです。 これは私たちのメンタルヘルスにとって重要なことですが、私たちは、「自分のライフワークにパーパスを見出すこと」と「自分の人生のパーパスを満たす仕事を見つけること」は違うものだと認識しなければなりません。 私は企業で働きながら、同時に自分の社会的企業を立ち上げ、運営した体験や、世界中の百人以上の社会起業家と対話した経験を通して、「真の達成感を得るためには、次の3つの基本的ニーズを満たす必要がある」という結論にたどり着きました。サバイブ(Survive=生活):衣食住や安全などの「物質的なニーズ」ストライブ(Strive=貢献):より良い世界に貢献したいという「精神的・感情的なニーズ」スライブ(Thrive=成長):学び、好奇心を満たし、自己を成長させる「知的なニーズ」つまり、「貢献と成長の複合体」がパーパスの本質です。「自分から外へ向かう貢献」と、「自分の内へ向かう成長」が絡み合い、状に昇っていくのです。 私は、今に至る5年間、「収入を得るための仕事、生活のための仕事は、同時に社会に貢献し、自分を成長させる仕事でもなければならない」という間違った考え方とずっと格闘してきました。これが、「パーパスの神話」です。 この本では、パーパスプロジェクトの進め方を紹介していきます。物質的なニーズを犠牲にすることなく、感情的、知的充足の旅へと乗り出しましょう。(本書「はじめに」より)