ソフトウエア開発者専用に「より良い人生」を送るためのノウハウ・スキルを網羅した「生き方バイブル本」、待望の改訂版。プログラマーが良い人生を送るためには、技術習得法やキャリア構築法といったノウハウに加え、対人的な交渉・指導・意思疎通などをうまく行える能力や知恵、すなわち「ソフトスキル」が不可欠です!本書では、キャリアの築き方、自分の売り込み方、技術習得法、生産性の高め方といった仕事で成功する方法だけでなく、財産の築き方、心身の鍛え方、恋愛で成功する方法など、「人生全般をより良く生きる方法」を具体的に説明します。■「序文」から抜粋あなたがこの複雑な産業で活路を開こうとしている若いソフトウェア開発者なら、今手にしているこの本は、多くの知恵と優れたアドバイスを与えてくれるはずだ。ロバート・C・マーティン(アンクル・ボブ)■「解説 by まつもとゆきひろ(Matz)」から抜粋読者の皆さんのために、あらかじめ本書から引き出せるいくつかの教訓をここで紹介しておきましょう。ひとつは「ソフトウェア開発者のキャリアに重要なものはソフトウェア開発だけではない」ことです。技術以外にもなさねばならないことはたくさんありますし、人間はカスミを食べて生きるわけにはいかないからです。本書では技術以外のことをたくさん教えてくれます。もうひとつは、「誰もが考える手段にこだわらない」ということです。筆者は19歳でソフトウェア開発者としてキャリアをはじめ、33歳で「引退」しています。アメリカは個性を重視する文化がありますが、そうは言っても33歳でアーリーリタイア(昨今の言葉で言えばFIREでしょうか)する人は少数派です。彼は、自分のキャリアを構築するにあたって、いろいろと試行錯誤し、主体的に行動しています。私たちが同じことをする必要はありませんが、著者のように成功に貪欲になれるチャンスに向き合い、「自分にできること」は何かということを深く考えて、たとえ失敗の可能性があってもチャレンジすることが重要です。■「訳者あとがき」から抜粋初版では目指していた早期引退を実現した著者の達成感が本全体にあふれている感じがしましたが、第2版では達成した生活が当たり前のものになったあとの著者の自信が本全体を見えないところから支えている感じがします。その分、地味になったかもしれませんが、安定感が増して初版以上に安心して読める本になったように思います。コロナ禍では、政治や社会は助けてくれず、自分がしっかりしていなければ生きていけないということも思い知らされました。政治家にまず自助だなどとは言われたくありませんが、逆説的に自助の重要性を考えさせられたわけです。本書には、そのような自助のテクニックが満載されています。そのような意味で、コロナ禍以降の時代の必読書だとも言えるのではないかと思います。