▼第1話/5年目のパスタ▼第2話/日米味決戦▼第3話/最高の肉▼第4話/新妻の手料理▼第5話/横綱の好物▼第6話/ペンションの名物▼第7話/キムチの精神(こころ)▼第8話/古酒(クースー)▼第9話/おせちと花嫁▼第10話/根気と山芋▼第11話/牛乳ぎらい▼第12話/潮風の贈り物▼第13話/乾物の滋味▼第14話/フライドチキン ●主な登場人物/山岡士郎(東西新聞文化部員。膨大な食の知識を持つ。東西新聞の壮大な企画「究極のメニュー」の作成を担当)、栗田ゆう子(東西新聞文化部員。山岡と共に「究極のメニュー」を担当する)、海原雄山(名だたる陶芸家、画家であり、「美食倶楽部」を主催する食の探究者でもある。山岡の実父だが、激しく対立する) ●あらすじ/辰さんをはじめとするホームレスの仲間に、信という新顔が加わった。この信さん、抜群に料理の腕がたつ。なかでもスパゲッティの味は格別。どうやら彼は、以前関西の一流イタリア料理店で、コックとして活躍していたらしい。そんな信さんが、職を捨て、ホームレスとなった理由は一体…!?(第1話) ●本巻の特徴/化学調味料の氾濫により、日本人が味覚に対して鈍感になってしまったことを嘆く「日米味決戦」。韓国の食をテーマにし、キムチの本来の製造法を紹介すると同時に、韓国独特の礼儀・作法にも言及した「キムチの精神」。市販されている牛乳の加熱殺菌や紙パックの問題を描いた「牛乳ぎらい」。サーロインステーキ、うずめめし、アラ鍋、ほうとう、黒豆、トロロ、ハバノリ、中国風フライドチキンなどをテーマにした14編を収録。食べ物や料理の知識が得られると同時に、それにまつわるハートウォーミングな人間ドラマも楽しめ、また現代の日本で散見される「食文化」の問題点にも鋭く迫る、文庫版第7集。初出は1987年。 ●その他の登場人物/大原大蔵(東西新聞社社主)、谷村秀夫(東西新聞社文化部部長)、富井富雄(東西新聞社文化部部副部長)