ローマ帝国崩壊後ラテン語から派生した言語がロマンス語と呼ばれるが、現存する11言語のうち、国語と呼ばれるロマンス語は、東から、ルーマニア語・イタリア語・フランス語・スペイン語・ポルトガル語である。本書はこれら5つのロマンス語の基本語彙を比較した。精神活動・社会生活が高度に複雑化している今日、「人体の名称」・「日常生活用品の名称」はもとより、現代の知的生活に欠かせない抽象的概念・ハイテクノロジーを表す名詞すなわち教養語をも含め、「現代の基本生活・知的生活に欠かせない概念を表す語彙=基本語彙」を、比較した。