衝撃の死から四半世紀、いまなお愛され、歌われ続ける尾崎豊の名曲の数々、その歌詞を分析することで、尾崎豊の歌の世界をより深く知る新たな試み!!「最初に言葉があった」と尾崎は言う。「言葉を歌ったのが音楽になっていた」のだと。尾崎豊は、曲先行の時代にあって、珍しく歌詞を評価された書き手であった。今でも彼は、歌詞の中で生き続けている。尾崎豊を知る一番の近道は、歌詞として告白された言葉をよく読むことである。本書では、ひとつひとつの歌詞を、そこに置かれた言葉の謎を解くように、ていねいに読み抜いた。「15 の夜」「卒業」「I LOVE YOU」「十七歳の地図」「永遠の胸」「僕が僕であるために」……新たな読みの可能性を切り拓く!!歌詞の中で生きた尾崎豊が浮かび上がる。牙をむいた孤独な青年が。ー石原千秋(早稲田大学 教育学部教授)●はじめに……危険な人生(ドライブ)/本書について●序章 尾崎豊の歌詞に向きあう●第一部 精読のアクロバット1無力さの冒険「15 の夜」─なぜ盗んだバイクが必要なのか?2あがいた日々の終わり「卒業」─それは退屈しのぎの反抗だったのか?●第二部 いろんな場所で、いろんな仕方で1ふたつの愛のかたち 「I LOVE YOU」と「OH MY LITTLE GIRL」─これは愛なのか?2過渡期のエネルギー 「十七歳の地図」─半分大人には世の中がどう見えるか?3パターンで読む 「永遠の胸」─彷徨のすえに見つけた答えは何か?4ため息が歌に変わるまで 「僕が僕であるために」─勝つために何をするのか?●第三部 尾崎豊という事件(尾崎論のためのノート)1尾崎家・少年時代・活動前期─父の謎と「延期と復活」2活動後期・死・その余波─病跡学とファン分析