どんなふうに弾きたいか明確なイメージはあるものの、思い描く音楽を奏でることができず、「自分には歌心がない」「音が汚い」等、自信をなくしてしまったピアノ学習者。そんな生徒たちを、どう指導したらよいか悩むピアノ教師。本書では、演奏や指導に行き詰まりを感じているピアノ愛好家や指導者に向けて、“表現のコツ”を計27紹介しています。いずれもピアノ教室を主宰する著者が生徒の悩みに寄り添いつつ、改善への道を探る過程で辿り着いた効果的な練習法や考え方ばかり。「まず生徒の現状を分析し、問題を細分化することでハードルを下げ、そのひとつひとつを生徒が理解・納得できるまで丁寧に指導する」--この方法で自らの引き出しを増やしていった著者。これまで蓄積した引き出しを縦横無尽に活用しながら、ピアノをどう操作したら歌心を感じさせる抑揚やノリが生まれるのか、美しい音色になるのか等を、わかりやすく解説しています。第1章 ピアノにできる音楽表現の基本1 歌心のある演奏とは?2 余韻をコントロールする3 タイミングで音色は変わる?!4 両手で左右異なる音量を弾くコツ5 片手で各指異なる音量を弾くコツ6 強弱が思うようにつけられない初心者のために7 ペダルの踏み替えが身につく3つのステップ第2章 拍子と呼吸を感じるだけで表現は変わる8 拍子を感じるってどういうこと?9 同音連打に表情を10 時代に応じた拍子感11 スタッカートが一本調子にならない方法12 細かいアーティキュレーションはひと息に13 ブレスの位置を大切に14 曲想の変化は呼吸次第第3章 そう聴こえるということ15 クレッシェンドに聴こえるためのクレッシェンド16 音量に幅を持たせるための工夫17 音の切り方で印象は変わる18 音の繋げ方で印象は変わる19 分散和音の響かせ方20 ペダルで生み出すリズム感21 ワルツのペダリング第4章 楽曲を知る22 音楽の句点23 第3音でハーモニーに彩りを24 骨格を知る25 楽曲を和音で弾いてみる26 音の動きに敏感になる27 音の密度の効果を知る