◆──◆魔法のiらんど大賞2020<ファンタジー・歴史小説部門>特別賞受賞作品◆──◆ 特別に記憶力の良い瞳をもつ董珠蘭(とうしゅらん)は、海神の贄姫として孤独に過ごしていた。そんな彼女の元にやってきたのが謎の青年・劉帆(りゅうほ)だった。 彼女は窮地にある兄を解放する条件として、劉帆に連れられ、国の中心・霞正城(かしょうじょう)に。そして後宮の不穏を珠蘭の瞳で探るよう命じられる。 人との触れあいに戸惑いながらも、珠蘭は誠実に向き合い、後宮の盗難事件や呪いの宮の謎に挑んでいく。その姿がしだいに劉帆や妃たちの心をも変化させ、信頼を勝ち得ていくがーー? 全ての謎の行き着く先は、触れてはならないこの国の根幹に関わる秘密だった。◆──◆登場人物紹介◆──◆◇董珠蘭(とう しゅらん)特別な記憶力をもつが、孤独な贄だった。兄を解放する条件として、後宮の不穏をその瞳で探ることになりーー?◇楊劉帆(よう りゅうほ)兄を解放する条件で、珠蘭に後宮に赴くことを提案した美青年。次第に珠蘭に心を動かされて……?◇董海真(とう かいしん)珠蘭の兄。孤独な珠蘭を唯一気にかけてくれた肉親。学問の才があり期待されていたが、三年前に失踪していた。目次 第一章 枯緑の娘 第二章 恋色なき園で 第三章 不死帝の黒罪 第四章 寵愛の末路