類稀な作家性とそれを支える技術力で、世界を虜にするスタジオジブリ。見て楽しく、考えて深い、その魅力の秘密を、最先端アニメーション研究の多彩なアプローチから解き明かす。ジブリアニメの見え方が変わる一冊。はじめに──スタジオジブリのアニメーションと「作家主義」/米村みゆき第1章 「ジブリ顔」とは何か──キャラクター造形という協働/石田美紀コラム1 「魔法少女」として読む『かぐや姫の物語』/須川亜紀子第2章 航空機体の表象とその運動ベクトル──宮崎駿『風立ちぬ』の戦闘機は何を演じているのか/キム・ジュニアンコラム2 『魔女の宅急便』における労働とコミュニケーション/須川亜紀子第3章 焼跡と池──高畑勲『火垂るの墓』における地域表象/横濱雄二コラム3 スタジオジブリの「見立て聖地」/須川亜紀子第4章 四大元素と菌の問題系──宮崎駿『風立ちぬ』論/友田義行コラム4 〈垂直〉の距離──天空と坑道/友田義行第5章 『コクリコ坂から』と「理想世界」──戦争の記憶をめぐって/奥田浩司コラム5 「スタジオジブリ」論の現在を知る三冊/平野泉第6章 高畑勲『アルプスの少女ハイジ』──ドイツ語版アニメーションとの比較研究/西口拓子コラム6 舞台化されたスタジオジブリ作品/須川亜紀子第7章 高畑勲と「大衆と共にある芸術」──『太陽の王子 ホルスの大冒険』と『母をたずねて三千里』の音楽/井上征剛コラム7 「宮崎駿」を知る三冊/平野泉第8章 動物/人間の境界線の攪乱──高畑勲の動物アニメーション映画/米村みゆき初出一覧あとがき/須川亜紀子