古代遺跡の端から端まで歩き回ったけれど、無駄足だった。おぞましい化け物も囚われの少女も見当たらない。無力なひと人を救いたい。その一心で、この世に生まれた時から架せられた「貴族」という枷から逃れ、流浪の戦士として剣の腕を磨いてきた。そしてこの遺跡でわたしの力を試すに足る相手にめぐり合える、そんな予感がしたのだけれど…。その時、背後に殺気を感じた。振りむくとそこには何かが立っていた。挑戦者か、刺客か、それとも遺跡を彷徨う人ならざる者なのか。静かに剣を抜きながら、わたしは高鳴る胸の鼓動を抑えることができなかった。はたして、レイナはこの思いがけない敵と戦って勝てるだろうか?それは戦ってみなければわからない。対戦型ビジュアルブック。