1982年に音楽CDが発売され,その直後からLPレコード市場は急速に縮小して行ったが,音楽ファンの間ではLPが賞用され,ジャケットの大きさやライナーの読みやすさからも,根強い人気を保ってきた.そしてこの数年,有名アーティストがCDと同時にLPもリリースし,LPの人気が徐々に高まって,生産枚数も飛躍的に増大している.CDを聴き馴れた音楽ファンが,初めてLPレコードに触れたとき,その音の質感の違いに驚くことであろう.その理由は一体何か,本書はその疑問に答えてくれるであろう.本書はハードウエアの解説書ではなく,LPそのものの魅力を味わうための内容で,ジャズの著名レーベルの名盤にさまざまなヴァージョン違いがあること,プレスを重ねるたびに音質が変わっていくこと,レーベルの再編で名盤がそれまでと異なる会社から発売されていること,ジャケットの移り変わりなどを詳しく解説する.ジャズのレコードコレクター必見の内容.