「本当にどれが最高かは、わかりっこない。決めようがない。万人が納得する答えなどあり得ない。万人共通の尺度などないのだから。しかし、『世界最高』を問う中には、最高とは何なのか、さらなる可能性はないのか、といった絶えざる反省がある。そして、『最高』を求めていく心の中には、安っぽい計算や打算を超えた何かがある。あえて万人が納得する答えが存在しない問いを発すること。それをしてみようと思ったのだ。モラルの絶対的基準が崩壊した時代だからこそ。」(「最初に」より)-かくもの志で、クラシック評論の第一人者が満を持して薦める最高の指揮者による最高の演奏。