西洋芸術音楽の歴史を、作品ばかりでなく、その前提となる考え方や社会状況、あるいは作品を実現する楽器や演奏法にも力点を置きながら辿る。古代ギリシャから中世、ルネサンス、バロック、古典派、ロマン派、19世紀のイタリア、ドイツを通して、西洋の芸術音楽を深く理解すること、さらに、個々の作品を、思想的、理論的、社会的背景から理解し、作品を立体的に把握できるようにすることが目標である。1.導入:「音楽」とは何か 2.古代ギリシャの音楽理論と今日の西洋音楽 3.聞こえない「音楽」 4.中世における多声音楽の芽生えと展開 5.ルネサンス音楽の聖と俗 6.ルネサンスからバロックへ:オペラの誕生 7.17〜18世紀におけるオペラの変容 8.バロック時代の声楽における歌詞と音楽 9.バロック時代における器楽ジャンルの確立 10.啓蒙主義の広まりと古典派 11.古典派からロマン派へ:鍵盤音楽を中心に 12.ロマン派の鍵盤音楽 13.19世紀ドイツ:「音楽の国」の成立から分裂まで 14.19世紀イタリア・フランスのオペラー音楽的ドラマトゥルギーの変容 15.バッハ演奏の変遷から見る音楽史