衣服というのは、人が用いる道具の中で最もからだの近くに存在し、からだを覆うもので、美と用を兼ね備えるべきものです。立っている人の美しさや動いている人の機能を、どのように衣服に表現していくのか、それがこの本の軸となっています。""美""という側面からは人体美学を、""用""という側面からは解剖学、形態学を結びつけ、カジュアルウエアから高機能ウエアまでを導きだします。著者が制作した、100分の1秒を競うスピードスケートやスキーの滑降競技の高機能ウエアは、動体裁断Ⓡによるもので、それを着用したアスリートたちがオリンピックで獲得した金メダルは100個を超えます。今回、増補版を発行するにあたり、この機能ウエアの具体的な制作工程とテクニック、完成品の作例を掲載するために、世界特許を取得した多方位高機能袖の理論と作図、及び著者の代表作の一つでもあるレスリングウエア・シングレットのデザインとパターンの導き方を掲載しました。